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Resistance in Life !

「生き方としてのレジスタンス!」と言ったら大袈裟だけど、そうありたいな〜って、ちょっぴりまじめに考えている、30代半ばの、とあるオッサンの日記です。
http://www.teruyuki-tanaka.net/
4月のテーマ「戦略は細部に宿る」
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情熱と・・自己反省/アントニオ・ガデス舞踊団「血の婚礼」「フラメンコ組曲」を観る
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     私の毎日の平均睡眠時間は5時間から5時間半くらい。平気は平気だが、時折どっと疲れが来ることがある。昨夜はほとんど寝てなかった。そんな中、渋谷の東急文化村・オーチャードホールにて、アントニオ・ガデス舞踊団「血の婚礼」「フラメンコ組曲」を観た。

     正直、楽しみにしていた公演だった。映画や音楽で親しんでいたが、まだ生でフラメンコを観たことがない。増してや、アントニオ・ガデス舞踊団は、フラメンコの本質を残しながらも、舞台芸術として、その裾野を大きく切り開いたとされている。今回は10年ぶりの来日公演。その10年前の公演を観た知人から、是非行くべきだと薦められた。ちょうど金欠で、すぐにチケットを買うことは出来なかったが、ドタンバである思いが半ば強引に私を動かした。

     アントニオ・ガデスは2004年7月に、既に亡くなっている。今回はもう本人の舞う姿は観ることは出来ない。しかし彼の亡き後、残した演出、動きは、その精神と共に忠実に受け継がれているのだという。
     まず「血の婚礼」から幕を開ける。本来は芝居用に書かれた物語。この戯曲をガデスは極限まで無駄を削ぎ落とし、シンプルでかつストーリー性のある1本の‘踊り‘に作り直してしまった。
     私は全くこの物語を知らなかったが、何となく、結婚目前の女性を元恋人が連れ去っていく。それを婚約者が追いかけ、最終的に決闘になってしまう・・。その展開は分かった。クライマックスは決闘シーン。無音。何とスローモーションでの剣さばき。アイディアと緊張感のある動きだけで作られたこのシーンが、ガデスの名を一気に世に知らしめる切っ掛けになったことは、終演後に知った。
     全くの静寂でこそ初めて生える死闘。そして、そこに佇むガデスの目論見_。確かに惹き付けられた。しかし今、東京は花粉症が横行する真っ只中。数分間に及ぶ音のない闘いの中、会場のあちこちから、咳払いや鼻をかむ音が響き渡っていた。広い会場の後方で観ていた私も、思わず我に返る。残念なことだ。

     休憩をはさんで、「フラメンコ組曲」。こちらは思う存分、フラメンコを楽しめる内容になっている。ダンサーの思い切りの良い足踏み。エキゾチックなギター、ジプシー的な歌声、それにカスタネットの軽快感。舞台から遠い席に着いていることが、またしても残念でならない。音楽的な空間ではあるが、私にはあたかも少林寺拳法の試合のようにさえ思えた。もっと大衆的で緊密な、土着的なスペインのフラメンコ酒場で、このような光景を体験できれば、血沸き肉踊る!そんじょそこらのセックスより快感であることには間違いない。
     メンバーが変わるたび、踊りも変わる。ステージチェンジ、その変わり目の一瞬だった。私はカクッと落ちた。緊張感と興奮が切れた瞬間、何ということか、突如爆睡モードに入ってしまったのだ。余程疲れていたのか、前日の睡眠不足のせいか(泣)。しかし新たな踊りが始まると、すぐに蘇生。そんな繰り返しが数回・・・。
     
     どんなジャンルのライブに出かけても、いつも留意して観てしまうのは、出し物とそうでないところ。例えて言うならば、手品師が演る手品そのものと、終えて素に戻る一瞬の間。フィクションとノンフィクションが一体化し、その人そのもの、その時間そのものをドキュメントと受け入れられる瞬間。どうしてもそこに気がいってしまう。
     私も作家の端くれとして、表現の当事者だという自意識、或いはその共鳴感。はたまた、本当にそうなのかと自己確認したいせいだろうか_。
     今日は睡眠不足からか、それが出来なかった。


     終演後、会場内でこのステージを薦めてくれた知人にバッタリ会う。近くの酒場に移動。最初に、金欠なのによく来たねと。その質問に私は戸惑いながらも、「今年は自分を磨く上で突拍子もないことをやりたい。実はこの公演を観て感動出来たら、フラメンコを始めてもいいかな〜なんて思ってたんだよ」。「ええっ〜」。「観ているうちに思ったんだけど、先月腰を痛めたんだよ。腰痛持ちにはキツイね・・」。
     一度も舞台からはけることなく、ミュージシャンも含み出演者全員がダンスバトルをしながら、自然な流れでアンコールに応えていく展開は、10年前と全く同じだという。

     ガデス・スピリットが完璧なまでに受け継がれることを聞きながら、一方で、腰痛だの居眠りだの、そう嘆き苦笑する私に、相手もそれが自己反省なのか、キャラクターだと主張しているのか、よく分からんと_。
     
     そう言われながら、今晩は、私の三枚目振りに盛り上がり、ついつい飲みすぎてしまった。

     
     

     

     

     
    | - | 23:04 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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