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Resistance in Life !

「生き方としてのレジスタンス!」と言ったら大袈裟だけど、そうありたいな〜って、ちょっぴりまじめに考えている、30代半ばの、とあるオッサンの日記です。
http://www.teruyuki-tanaka.net/
4月のテーマ「戦略は細部に宿る」
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社会派暴露的青春記?「ラストキング・オブ・スコットランド」を観る
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     夕方から、有楽町スバル座で、「ラストキング・オブ・スコットランド」を観る。かつてのウガンダ大統領イディ・アミンの姿を、若き英国人医師の眼差しを通して描いた、社会派暴露的青春記?のような作品だ。

     こういった現地ロケ作品(実際にウガンダの地での撮影かどうかは私には不明)で、まず圧倒されるのが、画面から溢れんばかりの、その土地の風土感だ。灼熱の太陽、生い茂る緑、乾いた赤土等は、どれも私の暮らす日本とは違い過ぎて、‘浮世離れ’と言えるくらい。
     先日見た「パラダイス・ナウ」もそうだったが、舞台となる環境条件を無言のうちに教えてくれることは、とても大切なことだ。この環境で起こったこと、もっと正確に言えば、この風土で培われてきた精神を持つ人間たちの話だということを、感覚的にスッと分からせてくれるからだ。
     その上で近現代史的な背景、政治的状況等が重なってくると、見る側も、人道的かつ現実的な問題提起として柔軟性をもって理解しやすい。

     新大統領への民衆の期待感、そして大虐殺という悲劇_。そんなウガンダの劇的な数年間。奇しくも居合わせることになった主人公の若き英国人医師。彼の体験が、始めはあたかもピクニック気分のように、後半はサスペンス的に描かれていく。
     そこに大きく、黒人俳優フォレスト・ウィテカーの存在がある。あの人懐っこい笑顔から、血の気が引いてにらむ顔。その変わっていく様に、思わず鳥肌が立った。本当に怖い。10人観たとすれば、必ず全員が口を揃えて怖いと言うに違いない。笑っても怒っても、彼の表情がこの作品の展開をリードしていく。彼はこの作品でアカデミー主演男優賞を獲得した。

     私が面白いと感じたのは、創り手のもう一歩の踏み込みである。「パラダイス・ナウ」同様、社会的現実や史実だけで描かれることの多いこのウガンダでの悲劇に、敢えてフィクションを盛り込んだことだ。
     主役の若き英国人医師はモデルになった人物はいたかも知れないが、実在の人ではないと聞く。創り手側のオリジナルキャラクターである。この人物の言動や推移する心情を通じて、作品の意図やテーマを語らせている。この作戦は、今回見事に功を奏している。
     西洋人としての価値感、冒険心や反権威的な気持ちを持つ若者。このキャラクター設定が、今の我々の立場や考え方に自然と違和感無くマッチし、しかも説教臭くない。この視点、眼差しだからこそ、アフリカの現実やジレンマに、抵抗なく入っていける。

     私なんかそうだが、アフリカのダイナミズムや複雑性を知らない。主人公も同じく、根底にうっすらとある欧米型の民主主義感や若者の身勝手さで、何にでも接していこうとする。そんな未熟な見識を持ってして、アフリカを斬り、渡り合おうとする。
     私が一番共感を覚えたのは、このチグハグさ加減である。
     その土地のバックグラウンドを心底理解する訳でもなく、かといって、自前の欧米的な正義も、雰囲気だけで中途半端。それで事を通そうとする。自分にも思い当たる節だし、ひいては先進国のご都合主義を容認することにも繋がっていく。

     
     偶然に任せて決めたウガンダ行きから、またも偶然やってきたハイジャック機で命からがらの脱出。主人公は心から今を謳歌し、心底痛みを味わう。皮膚感覚でビシビシ伝わるこの精一杯の経験をスクリーンで追体験しながら、改めて、アフリカが一筋縄ではいかないことを考えさせられた。

     

     

     


     
     
     
     
    | - | 23:57 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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