2009.01.28 Wednesday
ついに?のマンハッタン・トランスファー
青山のブルーノート東京で、マンハッタン・トランスファーのセカンド・ステージを聴く。先日のザ・ワールドフェイマス・カウント・ベイシー・オーケストラに続いて今月2回目のブルーノート。金銭的なやり繰りを考えて行くかどうか迷ったが、迷ったら行け!とばかりにやって来た。
ライブ行きを迷ったには訳がある。金額が高いことと、もう1つ。特に入れ込む程のファンではないからだ。
ただ、ずっと気になっていたアーティストの1人(グループ)だった。遡ること、私が中学だったか高校生だった頃。はっきりとした年代は忘れてしまったが、彼らが「アメリカン・ホップ」という曲を歌う様子が、サントリーのウイスキーのテレビCMに使われていた。同世代か、より年配の方の中には、ご記憶の方もきっと多いだろう。その時から、一度彼らのパフォーマンスを間近で観てみたいと思っていた。そして、予備校時代、テレビのない寮暮らしの中で、アルバム「アメリカン・ポップ」はよく聴く1枚になっていた。
大学進学を契機に地方から上京し、早、20年近く。その間、マンハッタントランスファーのニューアルバムやライブ情報を耳にしてきたが、いつも何らかしらの理由で、購入したり出掛けて聴くことなどなかった。そのつど気にはなるのだが、「敢えて」どうこうするということはなかった。。
毎年、年初に立てる目標。どれだけ達成出来るかは怪しいものだが、今年もいくつかある。その1つに、「今まで気に掛かってきたことに改めて出会った際、きっちり白黒つけよう」という思いを入れている。
一見ヘンな目標に聞こえるかもしれないが、要は、悔いのない時間を過ごしたい。「やりたいことはやろう!たとえ1度見逃してしまったことでも」ということだ。
で・・・。そう、このライブに行くことを決めた動機は、まさにコレ!マンハッタン・トランスファーへの精算?という訳ではないが、ずっと気になっていたからだ。
行ってよかった。驚いたが、感動した。
何に驚いたかと言えば、彼らがステージに登場した際。景気よく出て来たのは、何と4人組のジジィ、ババァ。びっくり。でも、ぱっと考えてみると、私が彼らのテレビCMで見て、20年以上も過ぎているのだ。当然と言えば当然だ。
しかし一度ステージが始まると、さすがの一言。魅力的な歌声、キレのあるシャウト、絶妙のハーモニー。そこには、年寄りの影すらない。特に今やジャズの歴史と化したクリフォード・ブラウン、マックス・ローチの伝説のカルテットのアドリブ部分をそのままの形でメロディをつけ、難なく歌ってみせる辺り。またバックバンドなしの全くのアカペラも披露。ボーカリーズという1ジャンルの大御所たるところを痛感。
そして、私が最も感動したのは、「額の汗」。
今回私が陣取った席は一番前。場合によっては聴きずらいケースもあるが、今回ドラムスの位置にはオーケストラでよくやるように、透明なアクリル板の仕切りが施されていた。おかげで歌声は聴きやすい。彼らとはわずか2メートル程の至近距離。もちろん、彼らの瞬き、呼吸を整える様、出しづらいキーをしぼり出しているところでさえ、全て手に取るように伺えてしまう。アルバムからだと、いとも簡単に高度のハーモニーを彼らがこなしているように思えるが、それは違う。
十数回(ブルーノートのチラシによる)にも及ぶグラミー賞受賞歴。この物凄い金字塔は同時に彼らの音楽性のハードルの高さでもある。こうした油の乗りきった時期を過ぎ、彼らも円熟期に入ってきた現在。誰しも肉体的な衰えはやって来る。だが歌う姿からは、自ら作ってきたこの険しいハードルを今のコンディションに合わせて下げることは、決してしていない。むしろ挑んでいる。
少なくとも、私にはそう見えた。
エンターティナーとしての振舞いや笑顔と同時に、額にうっすら浮かぶ汗。そこからは、自分を超えていくための日々の研鑽が垣間見える。過去の栄光にすがらず、現在を創る。いやだからこそ、第一線であり続けるのか。
思わず、「一流」とか、言ってみたくなる。
ライブ行きを迷ったには訳がある。金額が高いことと、もう1つ。特に入れ込む程のファンではないからだ。
ただ、ずっと気になっていたアーティストの1人(グループ)だった。遡ること、私が中学だったか高校生だった頃。はっきりとした年代は忘れてしまったが、彼らが「アメリカン・ホップ」という曲を歌う様子が、サントリーのウイスキーのテレビCMに使われていた。同世代か、より年配の方の中には、ご記憶の方もきっと多いだろう。その時から、一度彼らのパフォーマンスを間近で観てみたいと思っていた。そして、予備校時代、テレビのない寮暮らしの中で、アルバム「アメリカン・ポップ」はよく聴く1枚になっていた。
大学進学を契機に地方から上京し、早、20年近く。その間、マンハッタントランスファーのニューアルバムやライブ情報を耳にしてきたが、いつも何らかしらの理由で、購入したり出掛けて聴くことなどなかった。そのつど気にはなるのだが、「敢えて」どうこうするということはなかった。。
毎年、年初に立てる目標。どれだけ達成出来るかは怪しいものだが、今年もいくつかある。その1つに、「今まで気に掛かってきたことに改めて出会った際、きっちり白黒つけよう」という思いを入れている。
一見ヘンな目標に聞こえるかもしれないが、要は、悔いのない時間を過ごしたい。「やりたいことはやろう!たとえ1度見逃してしまったことでも」ということだ。
で・・・。そう、このライブに行くことを決めた動機は、まさにコレ!マンハッタン・トランスファーへの精算?という訳ではないが、ずっと気になっていたからだ。
行ってよかった。驚いたが、感動した。
何に驚いたかと言えば、彼らがステージに登場した際。景気よく出て来たのは、何と4人組のジジィ、ババァ。びっくり。でも、ぱっと考えてみると、私が彼らのテレビCMで見て、20年以上も過ぎているのだ。当然と言えば当然だ。
しかし一度ステージが始まると、さすがの一言。魅力的な歌声、キレのあるシャウト、絶妙のハーモニー。そこには、年寄りの影すらない。特に今やジャズの歴史と化したクリフォード・ブラウン、マックス・ローチの伝説のカルテットのアドリブ部分をそのままの形でメロディをつけ、難なく歌ってみせる辺り。またバックバンドなしの全くのアカペラも披露。ボーカリーズという1ジャンルの大御所たるところを痛感。
そして、私が最も感動したのは、「額の汗」。
今回私が陣取った席は一番前。場合によっては聴きずらいケースもあるが、今回ドラムスの位置にはオーケストラでよくやるように、透明なアクリル板の仕切りが施されていた。おかげで歌声は聴きやすい。彼らとはわずか2メートル程の至近距離。もちろん、彼らの瞬き、呼吸を整える様、出しづらいキーをしぼり出しているところでさえ、全て手に取るように伺えてしまう。アルバムからだと、いとも簡単に高度のハーモニーを彼らがこなしているように思えるが、それは違う。
十数回(ブルーノートのチラシによる)にも及ぶグラミー賞受賞歴。この物凄い金字塔は同時に彼らの音楽性のハードルの高さでもある。こうした油の乗りきった時期を過ぎ、彼らも円熟期に入ってきた現在。誰しも肉体的な衰えはやって来る。だが歌う姿からは、自ら作ってきたこの険しいハードルを今のコンディションに合わせて下げることは、決してしていない。むしろ挑んでいる。
少なくとも、私にはそう見えた。
エンターティナーとしての振舞いや笑顔と同時に、額にうっすら浮かぶ汗。そこからは、自分を超えていくための日々の研鑽が垣間見える。過去の栄光にすがらず、現在を創る。いやだからこそ、第一線であり続けるのか。
思わず、「一流」とか、言ってみたくなる。